簿記の勉強が苦手な人へ|数字が苦手な40代でも続けやすい学び方

事務・お金の資格

「簿記に興味はあるけれど、昔から数字が苦手」「計算問題を見るだけで自信がなくなる」という40代の方もいるのではないでしょうか。

学生時代に数学が苦手だった経験があると、「簿記も数字を扱う資格だから、自分には向いていない」と考えてしまいがちです。しかし、簿記の勉強で重要なのは、難しい数学を素早く解く力ではありません。

取引の内容を理解し、決められたルールに沿って数字を整理する力が中心です。足し算・引き算などの基本的な計算ができれば、数字に苦手意識があっても学習を進められる可能性は十分あります。

むしろ40代からの学び直しでは、「数字が得意かどうか」よりも、最初から完璧に理解しようとしないこと、短時間でも繰り返すこと、分からない場所で長く止まりすぎないことのほうが大切です。

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簿記は「数学が得意な人だけの資格」ではありません

簿記には数字がたくさん登場します。そのため、勉強を始める前は「計算問題ばかりなのでは」と感じるかもしれません。

しかし、実際には簿記で先に身につけるのは、数字そのものよりもお金やモノの動きをどの項目に分けるかというルールです。

たとえば、商品を現金で購入したときには、「商品に関するもの」と「現金に関するもの」を決められた方法で記録します。ここで必要なのは高度な計算ではなく、「何が増え、何が減ったのか」を整理することです。

もちろん問題が進めば計算も必要になりますが、電卓を使って処理できるものが多く、数学の公式を何種類も覚えて解くような勉強とは性格が異なります。

数字が苦手でもつまずく場所は人によって違う

「数字が苦手」と一言でいっても、実際につまずいている原因は同じとは限りません。

苦手に感じること 考えられる原因 対策
数字を見るだけで嫌になる 過去の数学への苦手意識が強い 最初は計算より取引の意味を理解する
仕訳が覚えられない 丸暗記しようとしている 「何が増えたか・減ったか」で考える
問題を解くと間違える 理解しただけで演習量が不足している 同じ基本問題を繰り返す
勉強するとすぐ疲れる 長時間学習を前提にしている 15~30分単位で学習する
前に習ったことを忘れる 復習の間隔が空きすぎている 新しい範囲と復習をセットにする

まず「自分は数字が苦手だから無理」とまとめて考えるのではなく、どこで止まっているのかを細かく分けることが大切です。

40代が簿記の勉強で苦しくなりやすい3つの場面

40代からの資格学習では、学生の頃とは違う難しさがあります。理解力の問題というより、仕事や家事をしながら勉強時間を確保する必要があるためです。

仕訳の左右が分からなくなる

簿記3級などの勉強を始めると、多くの人が最初に戸惑うのが仕訳です。

「借方と貸方のどちらに書くのか」「資産が増えた場合はどちらなのか」といったルールが続き、全部暗記しようとすると混乱しやすくなります。

この段階では、一度で完璧に覚えようとする必要はありません。

テキストを読んだあとに基本的な仕訳を数問解き、間違えたら解説に戻る。この往復を繰り返すほうが、長時間ルールを暗記するより身につきやすくなります。

勉強したのに翌週には忘れている

40代では、仕事が忙しく数日勉強できないことも珍しくありません。久しぶりにテキストを開くと、「前回の内容をほとんど覚えていない」と感じることがあります。

これは学習が向いていないというより、復習する機会が少ないことが原因の場合があります。

1週間に1回まとめて3時間勉強するより、平日に20分程度でも簿記に触れる日を増やしたほうが、前回の内容を思い出しやすくなります。

問題集になると急に解けなくなる

テキストを読んでいると理解できた気がするのに、問題集を開くと手が止まることがあります。

簿記では珍しいことではありません。読む勉強と、実際に仕訳や計算をする勉強では使う力が違うからです。

「理解してから問題を解こう」と考えすぎず、ある程度テキストを読んだら簡単な問題を解いてみましょう。分からなければ、答えを見て構いません。

問題を解きながら理解を深めるくらいの感覚のほうが続けやすくなります。

数字が苦手な人ほど「1日30分以内」から始める

簿記の勉強を始めたばかりの時期に、いきなり「平日は毎日2時間勉強する」と決める必要はありません。

仕事をしながら学び直す40代であれば、最初は1日15~30分程度でも構いません。

特に苦手意識がある状態では、学習時間を増やすことよりも、簿記の教材を開くことへの抵抗を小さくすることが先です。

時間 学習内容の例
10分 前日に間違えた仕訳を3~5問解く
20分 テキストを数ページ読み、例題を解く
30分 前回の復習10分+新しい範囲20分
休日60分 平日の復習+問題演習

調子がよい日は長く勉強しても構いません。ただし、「毎日1時間できなかったから今日は勉強しない」と考えてしまうと、学習が途切れやすくなります。

10分しか取れない日は、仕訳を数問解くだけでも学習を続けたことになります。

簿記が苦手な人におすすめしたい「3周方式」

数字に苦手意識がある人ほど、最初から全部理解しようとすると進まなくなることがあります。

そこで、教材を1回で完成させるのではなく、3周程度に分けて理解を深める方法が使いやすいです。

1周目は「分からなくても先へ進む」

1周目の目的は、簿記の全体像を見ることです。

知らない言葉が出てきても、すべて覚える必要はありません。例題を見ながら「このようなことを学ぶのだな」と理解できれば十分です。

特に最初の仕訳で時間を使いすぎると、その先へ進めなくなります。分からない項目には印をつけて、いったん先へ進みましょう。

2周目は基本問題を自分で解く

2周目では、テキストを読むだけでなく問題を解きます。

間違えた問題にはチェックを付けてください。一度正解した問題よりも、間違えた問題を繰り返すほうが効率的です。

この段階でも満点を目指す必要はありません。「昨日できなかった仕訳が今日はできた」という小さな変化を積み重ねます。

3周目は苦手分野だけを集中的に復習する

3周目になると、自分が間違えやすい場所が見えてきます。

  • 現金や預金は分かるが、売掛金・買掛金で迷う
  • 仕訳はできるが、決算整理になると混乱する
  • 内容は分かるが計算ミスが多い
  • 問題文が長くなると何を聞かれているのか分からなくなる

ここまで来たら、教材を最初から読み直す必要はありません。苦手な部分に学習時間を集中させます。

簿記の勉強は、分からない内容をゼロにしてから次へ進むより、何度も戻りながら理解するほうが現実的です。

「分からない問題に30分悩む」は避ける

真面目に勉強する人ほど、一問を自分の力で解こうとして長時間考えてしまうことがあります。

しかし、学習を始めたばかりの段階では、考えるための知識そのものがまだ不足しています。

5分程度考えて手がかりがなければ、解説を読んでも構いません。そのあと、解説を閉じて同じ問題をもう一度解きます。

特に仕事や家事で勉強時間が限られている40代では、分からない一問だけでその日の学習時間を使い切らないようにすることが大切です。

計算ミスが多い人は「理解不足」と決めつけない

簿記の問題で数字を間違えると、「やはり自分は計算が苦手だ」と思うかもしれません。

しかし、ミスにはいくつか種類があります。

  • 電卓への入力を間違えた
  • 桁を見間違えた
  • 数字を書き写す際に間違えた
  • 計算方法そのものを理解していなかった
  • 仕訳を間違えたため、その後の数字もずれた

このうち、最初の3つは必ずしも簿記の理解不足ではありません。

間違えた問題には「計算」「仕訳」「読み違い」など原因を書いておくと、自分の弱点が見えやすくなります。

計算ミスが多い人は、途中式を簡単に残したり、大きな数字を指で確認しながら電卓へ入力したりするだけでも改善することがあります。

40代が勉強を続けるためのチェックリスト

簿記の学習が苦しくなってきたら、勉強量を増やす前に次の項目を確認してみてください。

  • 1日1時間以上など、最初から高すぎる目標を立てていないか
  • テキストを完璧に理解してから問題集へ進もうとしていないか
  • 新しい内容ばかり進めて、復習する時間がなくなっていないか
  • 難しい問題に長時間こだわっていないか
  • 一冊を終える前に教材を次々と買っていないか
  • 仕事で疲れている日に難しい範囲を勉強しようとしていないか
  • 「今日は10分しかできないから意味がない」と考えていないか

3つ以上当てはまる場合は、勉強方法を少し軽くしてみてもよいでしょう。

40代・50代の学び直しは、短期間に大量に勉強することより、仕事や生活を崩さず続けられる形を作るほうが重要です。

独学が苦しくなったときに通信講座を検討する目安

簿記は独学で勉強する人もいる資格です。そのため、数字が苦手だからといって最初から通信講座を利用しなければならないわけではありません。

市販テキストを読み、問題の解説も理解できているなら、そのまま独学を続けてもよいでしょう。

一方で、次のような状態が続く場合には通信講座を検討する意味があります。

状況 考え方
テキストを読んでも仕訳の考え方が理解できない 動画解説がある教材が合う可能性がある
どこから勉強すればよいか毎回迷う 学習順序が決まった講座が使いやすい場合がある
仕事が忙しく学習計画を作れない カリキュラムに沿って進める方法を検討する
独学で何度も中断している 進捗管理など継続しやすい仕組みを確認する
分からない問題で止まり続ける 質問制度の有無を比較する

通信講座を選ぶ場合も、知名度だけで決める必要はありません。動画の長さ、スマートフォンで学習できるか、質問できるか、教材量が多すぎないかなど、自分が挫折した原因に合う機能を確認することが大切です。

費用をかければ必ず続くわけではないため、「なぜ独学では進みにくいのか」を確認してから検討すると選びやすくなります。

勉強が止まったときは「最初からやり直さない」

仕事が忙しく、1週間、2週間と勉強できない時期が出ることもあります。

このとき、「全部忘れたからテキストの最初からやり直そう」と考えると、再開の負担が大きくなります。

まず以前解いた基本問題を10問程度解いてみてください。

できた問題は飛ばし、忘れている範囲だけテキストへ戻ります。意外と覚えている部分もあるため、最初からすべて読み直すより短時間で学習を再開できます。

勉強が途切れたこと自体を失敗と考える必要はありません。40代の資格学習では、忙しい時期があることを前提に、中断しない計画より「中断しても戻れる方法」を作ることが現実的です。

よくある質問

Q1. 学生時代に数学が苦手でも簿記は勉強できますか?

数学が苦手だったことだけで、簿記を諦める必要はありません。簿記では高度な数学より、取引を分類するルールや基本的な計算を繰り返し使います。まずは簿記3級などの入門教材を少し見て、自分がどの部分に苦手を感じるのか確認するとよいでしょう。

Q2. 仕訳が何回やっても覚えられません

仕訳を左右の位置だけで丸暗記すると混乱しやすくなります。「現金が増えた」「借金が減った」など、取引によって何が変化したのかを確認してから仕訳する練習をしてみてください。同じ基本問題を繰り返すことも有効です。

Q3. 毎日勉強しないと合格は難しいですか?

毎日できるのが理想でも、仕事や家庭の事情によって難しいことがあります。重要なのは、一度休んだあとに長期間そのままにしないことです。平日は短時間、休日に少し長めなど、自分の生活に合わせて学習時間を組み立てましょう。

Q4. 電卓を使うのが遅くても大丈夫ですか?

最初から速く入力できる必要はありません。問題を解く中で少しずつ慣れていきます。まずは速さより正確さを優先し、同じ電卓を使って練習すると操作に慣れやすくなります。

Q5. 簿記3級でも難しいと感じたら向いていないのでしょうか?

最初に難しいと感じるだけでは、向いていないとは判断できません。仕訳という独特のルールに慣れるまで時間がかかる人もいます。教材を変える、動画解説を見る、学習時間を短くするなど方法を変えても理解が進まない場合に、続けるかどうかを改めて考えても遅くありません。

まとめ

簿記は数字を扱いますが、数学が得意な人だけが学べる資格ではありません。

数字に苦手意識がある40代でも、基本的な仕訳から少しずつ慣れ、問題演習と復習を繰り返すことで理解を深めていくことはできます。

大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。分からない問題に長時間こだわらず、1日15~30分程度からでも学習を続けてみましょう。

まずは入門教材で簿記に触れ、独学で理解できるか確認してみてください。独学で何度も止まってしまう場合は、動画授業や学習スケジュールが用意された通信講座を選択肢に加える方法もあります。

「数字が得意になること」を目標にする必要はありません。今日10分だけ仕訳を解くなど、続けられる小さな学習から始めることが、資格取得への現実的な第一歩です。

なお、受験方式や試験内容などは変更される可能性があります。受験を予定している場合は、最新情報を公式サイトで確認してください。

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